他者のまなざし

館長・総合芸術監督/齋藤豊治(さいとうとよじ) ファッションを哲学で語る京都芸大学長の鷲田清一さんは、こうおっしゃっています。「ファッションとは、他者のまなざしをデコレイトすることです。夏場に托鉢をしているお坊さんが着ている袈裟は見た目には涼しそうに見えますが、実はとても暑いんですよ。」なるほど。お坊さんは自分が暑くても、袈裟を身に付けることで、周りの人に涼しさをもたらしているんですね。お葬式にはお葬式のファッションがあり、結婚式には結婚式のファッションがあります。一方、どう見てもビーチのファッションとしか思えない姿で街中を歩いている人は、周りの方々のまなざしに気が付かなくなっているようです。自分が居心地良くなりたい、自分を飾りたい、自分が自分がという欲が強く出てしまうと、いつの間にか美しさは消えてしまうのかもしれません。今年もサザンクス筑後では、美をテーマにした「美祭」をお届けします。皆さまのご来場を心からお待ちしています。