ピアノのピ

館長の散歩道

「ピアノ」という言葉を、皆さんはどんなアクセントで話していますか。ピを高く発音して、アノを低く発音していますか?それとも音の高低をつけずに、フラットに「ピアノ」と発音していますでしょうか。もともとのアクセントは、ピアノのピを高く発する頭高だったのですが、近年になるに連れて、高低のない平板に変わってきたそうです。これがアクセントの平板化と呼ばれているものです。では、なぜ平板化してきたのか。アクセント研究の第一人者だった金田一春彦さんによると、かつてピアノは大変高価でスペシャルな楽器だった。そこで、頭のピの音を無意識に強調して、高く発音したのではないかとの事。なるほど、頭高でピと発音するには、エネルギーが要りますね。ところが平板でピアノと言うと、表現が抑えられて、スペシャル感は出なくなります。たしかに最近の若い人たちの言葉には平板化が多くみられます。「ギター」「コーラス」「サーファー」「彼氏」「美人」等々。なんだか、お疲れ気味・・省エネモードですね(笑)。さて、サザンクスでは、スタインウェイのスペシャルな「ピアノ!」をご用意しています。どうぞ豊かな響きをお楽しみください。