最終更新日:2021年06月01日

助詞上がり

館長・総合芸術監督/齋藤豊治(さいとうとよじ)

科白の稽古や朗読の指導をしていて、このところ気になっていることがあります。それは、助詞上がりのしゃべり方をする人が年々増えてきていることです。皆さんは、ニュース番組で現地取材をしている報道記者の、こんな話し方を耳にしたことがありませんか?「私は今、国会議事堂の前います。」この「議事堂の前に」の「に」の音を高く強調してしまう表現です。助詞の「に」「を」「て」などを上げて話すことを、助詞上がりと呼びます。これでは「に」の音しか視聴者の印象には残らなくなってしまいますね。「現場の状況お伝えしました」この「を」も助詞上がりになりやすいので注意が必要です。これまで、報道記者にはこの話し方が見られていたのですが、残念ながら最近ではアナウンサーやベテラン俳優たちにも見受けられるようになってきました。言葉は相手に届いた時に、はじめて生きている言葉になります。言葉は時代と共に変化をしていきますが、相手を思いやり、相手が受け取りやすい話し方を、常に心掛けたいものです。