インプットとアウトプット

館長の散歩道

まだまだ先の見えないコロナ禍で、思うように国内外に行くことができない状況が続いています。クリエーターにとって、日本の素晴らしい作品に触れるのはもちろん、海外の作品に出合い、刺激を受けることはとても大切です。日本文化の再発見やグローバルな視点につながり、新たな表現を生み出す鍵になるからです。多くの人や物、事と出会う「インプット」そして出会いから受けた感動を他者に伝える「アウトプット」。この二つのバランスが大事なんですね。AKBの楽曲や美空ひばりの「川の流れのように」の名詞を生み出した秋元康さんは、詞を作る時(アウトプット)に一度も行き詰ったことがないそうです。その秘訣はと問われて、こう答えています。「僕は外に出る時、いつも背中にリュックを背負っていて、おもしろいと思った言葉を耳に挟んだら、とりあえず背中のリュックにポンと放り込んでおくんです。たとえば「カチューシャ」という言葉を聞いて、ロシア民謡かと思ったら髪飾りのことなんだ!へ~え、面白いなあとリュックに放り込む。中華料理店で見つけた「フォーチュンクッキー」放り込む。「ラブラドール・レトリバー」放り込む。そして、作詞の時にそのリュクから言葉を取り出すと、それが歌になる。アンテナを張るや、引き出しに入れるという言い方は聞いたことがありますが、背中のリュックに放り込む!これは「インプット」の面白い表現ですね。前向きで楽天的な気持ちが湧いてきます。